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國枝さんのフランス講習会レポート!

皆さん、ご無沙汰しております。また新しい道友会会員の方は初めまして。
昨年から仕事の都合でイギリス、ロンドンに赴任中の國枝です。
渡英後もロンドン北西部の現地道場に所属し、合気道の稽古を続けています。先日、フランスで行われた合気道の大きなセミナーに参加してきましたのでレポートします。

現在在住しているイギリスからフランスへはドーバー海峡を隔てて2時間半くらいで渡ることができます。セミナー日程がちょうど娘の学校の休み期間だったこともあり、休みを取って観光も兼ねて足をのばしてきました。(行程の前半は家族でフランス観光、後半は私は合気道セミナー、妻と娘はパリのディズニーランド&市内観光という複合ツアーです)セミナー会場はパリ南西部郊外の大きなスポーツ施設で天候もよい中多くの合気道家と交流し、思い出深いイベントになりました。

会場に到着以降はほとんど写真を撮れませんでしたが少しだけ写真を載せておきます。

合同セミナーについて

遠藤征四郎師範、安野正敏師範、宮本鶴蔵師範、Christian Tissier師範(初日の指導順)と
8段の先生4名という豪華な顔ぶれに近隣諸国からも多数の参加があったようです。
主催者側からの情報ではないので不確かですが、1200名くらい参加しているのではないかと仲間内からの声がありました。日本武道館クラスの大きな会場に畳とマットが敷き詰められていましたが、大きな受身は取ることができないほどの混雑ぶりでした。

指導いただいた内容について

先生方は独自のスタイルをもっておられますが、指導いただいた数々の技もさることながら最初に相手と接触する部位の活かし方(吸収、回転、同調など)、攻撃線からの身の避け方、「間」の取り方、技後の姿勢・残心の取り方など言葉で表しにくい細かいポイントを間近で拝見し、目に焼き付けることが出来た点もよかったと思っています。とりわけ、先生方の何気なく手刀を振る動作に剣を振っているかのような、きれいな剣筋が見えた際は、これが何十年もの稽古のなせる動きかと感服しました。

言語(解説)について

フランスでのセミナーということで解説される言語はフランス語と、少し不安も感じていましたが、遠藤師範は英語と日本語を使い分けられた上で通訳が翻訳、安野師範と宮本師範は日本語での解説を通訳が翻訳、Christian Tissie先生はご自身で英語とフランス語を使い分けて解説されていましたのでフランス語がわからなくても支障はありませんでした。

言語(稽古相手)について

セミナー参加者の大半はやはりフランス人ですが私の稽古相手は皆、稽古前は「Onegaishimasu」と日本語を、稽古中のちょっとした会話は英語で、稽古後の礼は”Merci beaucoup”とフランス語で、と使い分けをしてくれていました。
私自身、非英語圏で英語が通じる環境でも挨拶だけは現地の言語を使うようにしていますので2日間で「メルシーボークー」と100回くらい口にした気がします(笑)。

思えば合気道の稽古前の挨拶は私が知る限りではどこも「Onegaishimasu」のようですが、稽古後の挨拶はイギリスでも「Arigato gozaimashita」ではなく、ほぼ全員が “Thank you very much”と言っていますし、スペインの道場での稽古でも”Muchas gracias”だったことを思い出しました。日本語の「よろしくお願いします」にぴったり対応する言葉がないということなのか、感謝の言葉はやはり母国語にすべきという考え方なのか、面白いポイントだな、とセミナー後ホテルに戻る電車の中で、組んだ相手それぞれを思い出しながら考えていました。

一緒に参加した仲間について

ロンドンの所属道場でも指導者層は各地でのセミナー情報を集めており、仕事のタイミングが合う人同士で行く習慣があるようです。今回は残念ながら皆タイミングが合わず、所属道場からは私一人の参加でした。会場では人が多くて知り合いを探すのが大変でしたが、イギリス内系列道場からの稽古仲間10名、また船橋道友会の武道センターにも来たことのあるチェマ、ミゲルといったスペインからの仲間達とも会場で出会うことができました。(事前に連絡を取りあっていなかったのでうれしい偶然でした)

また、ランチをご一緒させていただいたフランス駐在中の草野さん(6段、日本では明倫塾所属)、フランス在住のPascal(4段)との新しい出会いもありました。

最後に

合気道は武道であると同時に、人と人をつなぐ優れたコミュニケーションツールだと思っています。その思いは日本の外に出てより強く感じるようになりました。
合気会諸先生方の活動により世界各国に日本と同じ稽古システムが根付いており、信頼のおける稽古団体を外国で探し出すこともそう難しくありません。同じ前提条件で稽古を続けている外国人と一緒に稽古をすると一切言葉が通じなくてもとても円滑に多くの情報を交換することができます。慣れ親しんだ何かを通して外国人と一緒に実際に手を取り合い、笑い合う機会というのは通常の駐在生活の中では得難く、もし合気道を続けていなかったら日本人だけのコミュニティの中で過ごしていたのではと考えると、仕事上の付き合いとは別に多くのイギリス人と交流する機会を与えてくれている合気道には感謝しています。

指導者によって同じ技でも解釈が少し異なるというのは合気道でも当たり前のようにありますが、色々な考え方に触れるというのはいい勉強になると個人的に考えています。

例えば、正面打ち一教という技一つとっても、構えや重心移動など別の考え方で長年稽古を続けてきた人と国際セミナー等で出会った場合、組んでいる数分間で自分に都合のいいように相手に一方的に合わせてもらうというのは現実的ではなく、自分の引出しの中で使えそうなものを使い、落としどころを見つけていく作業が必要になることがあります。
「一教=腕抑え」という目的地にたどり着くため、道場で無限とも思えるほど繰り返し、通ったいつもの道を通れず、別ルートを急に探さなくてはならなくなる感覚です。

優れた教科書に学ぶことが最も大切であることは言うまでもありませんが、よく知っている表通りだけでなく、裏通りが存在しているということに気づく機会は成長のために必要です。道友会会員の皆さんも外部セミナーに参加する際は、組んだことがない人と積極的に組んで普段の道場内稽古との違い、やりにくさを楽しんでください。そういう時にこそ得られるものが大きいはずです。

私もたくさんの人と話をして、たくさん考え、動ける身体を維持し、成長して日本に帰りたいと思います。それでは、また会う日まで、ごきげんよう!

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