先日、四段審査を受けさせていただきましたので以下に感想を述べさせていただきます。
COVID-19の感染拡大が続く中、ようやく年度内に実施いただけることになった審査会。今まで通りの審査ができる状況とはなりえないという話ではありましたが、週3回の道場稽古をほぼ休みなく続けられていた心身の状態と、今後の稽古環境の不透明さを勘案し、今回の機会で受審させていただくことにしました。
合気道の稽古を始めてその楽しさと奥深さに取りつかれて以来、住環境の変化はあっても私の生活の中で大きな割合を占め続けてきた合気道ですが、COVID-19で道場施設が閉鎖され、記憶の中にある身体感覚を頼りに一人稽古に終始せざるを得ない状況が3か月半も続きました。
道場での稽古が再開した後は、接触なし・最小限の接触、限られた技のみと制限はありますが、稽古を続けられることへの感謝の念はこれまで以上に強くなりました。
一人での稽古では気づけない点を指摘いただける先生と指導員各位、お互いに技を磨くための良き協力者である稽古仲間と礼によって繋がり、清潔な道場で過ごせる時間というのは、本当に貴重で得難いものだと感じています。
今回の審査においては、多様な技の変化を繰り出すことよりも、基本技の完成度を高めることに集中する必要があると考え、審査前はとりわけ以下を心の中で自問自答しながら稽古に取り組むようにしました。(一人問答が独り言として時々口に出ていたようで、独り言に気づかれた方はすみません)
- 姿勢
・正中線を意識して真っすぐ立てているか、
・相手と自分との接点を自分の中心で捉えられているか、
・地を蹴るのでなく、踵を踏みこむ体重移動で自在に動けているか、
- 位置取り
・技に入るときの相手との間合いは適切か、視野が狭くなっていないか、
・自分の両足が重心移動で足を進めるのに適した歩幅となっているか、
・相手の状態(重心移動、緊張と弛緩)を五感をフルに使って感じ取れているか)
- 呼吸
・意識した複式呼吸で、吸気と呼気に動作を合わせられているか、
・精神的機能が一時的に止まり、瞬間的動作を行うことのできない「居付き」の 隙を極力作らず、いつでも余裕をもって動ける状態を維持できているか
審査本番においては、普段より速度をおさえて間合いと歩幅を広めに取って大きな動きを意識するようにしました。呼吸の乱れ、崩しの甘さなど個人的な課題は多く残りましたが、熟練の先輩に受けを取っていただいたこともあって大過なく終えることができました。
今回、審査をしていただいた清水先生、当日快く受けを取っていただいた指導員の方々、その他会に関わるすべての皆様に改めて御礼申し上げます。
これからも基本を大切に日々の稽古を重ね、自身の課題解決、技の整理発展を目指して精進していきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
國枝